イヴ・ダンカン(オーストラリア)
イヴ・ダンカンは、物質的な世界のうちにある精神的なものに、自身の音楽を探求し興味を表している。そしてメルボルンのパリ・キャッツ・ジャズクラブで、彼女のバンドとラヴソングを歌い演奏する。ウェスターン・シドニー大学にて創造芸術の博士を、メルボルン大学で音楽の修士を、ラトローブ大学では作曲で成績優秀の栄誉を得る。1994年にメルボルン作曲家連盟を設立し、以来会長を務める。英国、ギリシャ、ウィーンで賞を受賞したほか、オペラ「アスペルン・ペーパー」とシドニーオペラハウスの建築数学を盛り込んだピアノコンチェルトがオーストラリア国内において受賞。近年では、マニラの “Unity
rondalla” (弦楽器の音楽祭)から作品を委嘱される。大変な喜びを持って創作やギター演奏を行った。
蛍
初めて蛍をみたのは、九州の大分県、天ケ瀬に滞在していたある夜のこと。澄み切った空気の中、頭上に星々が瞬く山中の森を訪れた。松の木の枝の間を多くの蛍が鮮明な光を放ち、ゆっくりと円を描いて動いた。時折光が消え、そしてまた光る。蛍は魅惑的で陽気な性格のダンスをしているかのようにあちこちを飛び回る。光の無い沈黙は、内なる活力を際立たせているかのように印象的であった。蛍は、彼らが飛び回る松の木と離れがたいかのように思えた。