ヂャヨン・ベク(韓国)

韓国ソウル生まれ。ソウルの淑明女子大で作曲の学士を取った後、クラウス・ラング、ゲルト・キュールに師事しオーストリアのグラーツ音楽大学で芸術の修士を取得。2013年には、オーストリアで、ユーデンブルクの芸術家に選ばれる。作品は、マケドニア、セルビア、ハンガリー、韓国など様々な国で演奏されている。2016年から、淑明女子大学にて教鞭を取る。

The piece of memory for two violins

パトリック・モディアーノ(1945〜)の小説「暗いブティック通り」から着想を得る。小説の主人公は、記憶喪失に苦しんでおり、失った記憶を取り戻そうとする。思い出を探し求めて、最後に彼が見つけたものは、最初から知っていた記憶、すでに最初から知っていたものだった。この作品は、同じ2つのヴァイオリンで演奏される。いずれもE(ミ)の音で弾き始めるが、2つのヴァイオリンは違うリズムで演奏する。弾き進められるうちに、他の音やリズムが組み合わされ、最初に出てきた音は徐々に消える。