ヒュンスク・ジュン(韓国)
ソウル生まれ。チュギエ芸術大学、韓国芸術大学、オーストリア・グラーツ音楽大学で学ぶ。アメリカ、ドイツ、イタリア、ベルギー、スイス、オーストリア、ポーランド、日本などで作品を発表。オーストリア・シュタイアーマルク州600周年記念会議委嘱、2012年グラーツ市音楽振興賞を受賞。イタリア国際作曲コンクール150で第1位、カロル・シマノフスキ国際作曲コンクールで第2位、フランコ・エヴァンジェリスティ国際作曲コンクール2013で優勝。彼の作品「雫の影」はリコルディ社から、また別の作品「クロノスの庭」はゼルボーニ社から出版された。オーケストラのための<VISTARA>は、ポーランドのクラクフ交響楽団によって演奏された。
AnatomyⅠ
この作品は、1つの楽器で録音された素材を使用するテープ音楽シリーズの最初の作品である。そしてこの作品では、録音されたピアノの音が使われている。音の運動性とつながりに焦点が当てられており、特に、楽章に応じた動作から、最終的に楽器から発せられる音に至るまでのつながりの過程が、音楽進行の主要な素材として用いられている。指と鍵盤、鍵盤とハンマーの間の様々な音やノイズ、ペダリングによる付随音など、ピアノの各部の連結・分解・合成からなる音を描きながら、有機的な視点で音楽を奏でている。