マイケル・ハンナン(オーストラリア)

オーストラリア、ビクトリア州ジーロングを拠点に活動する作曲家、演奏家、音楽研究家。2020年にジーロングに移住する以前は、ニュー・サウス・ウェールズ州リズモアにあるサザン・クロス大学の音楽学部教授を務めていた。ピーター・スカルソープの音楽とリチャード・ミールの音楽に関する本や、音楽キャリアに関する参考書を出版。 また、オーストラリアン・ニュー・クラシック音楽、映画音楽、音楽教育、ビートルズ、エレクトロニック・ダンス・ミュージックなど、さまざまな分野で多くの学術論文や本の章を発表している。作曲活動は、メディア音楽、実験音楽、電子音響音楽、劇場音楽、コンサート音楽、若い音楽家のための音楽など多岐にわたる。彼のピアノや他の楽器のためのコンサート音楽の多くは、オーストラリアの鳥のさえずりに基づいており、彼が録音したフィールド・レコーディングを利用している。 

Heavenly Bodies for Piano

私の音楽のほとんどは、自然、特に私が住んでいた場所や定期的に訪れていた場所の風景や鳥、カエル、昆虫の鳴き声、また宇宙論的なテーマや、惑星、月、彗星、星、星座などの天体からインスピレーションを得ている。私の自然を題材にした作品には、鳥のさえずりや風景の輪郭を直接的に連想させるものが多いが、この作品は宇宙をより抽象的に考察したものである。この曲の出発点は、オーストラリアのピアニスト、ロジャー・ウッドワードが初演・初録音した武満徹のピアノのための “For Away”(1973年)に繰り返し登場する短いモチーフである。この作品では、B♭からEに落ちる音程に基づくモチーフを使ってメロディーを構成しており、このメロディーは、他の対照的なモチーフのアイディアとその発展形が散りばめられた変奏曲の基礎となっている。