ユーフン・ウン(シンガポール)
多くの受賞歴があり、その作品は音楽の時間、典礼、相互テクスト性を探求している。作品は、シンガポール・チャイニーズ・オーケストラ、ブラック・ペンシル・アンサンブル、ミヴォス・カルテット、クロマ、ロンターノ、メイタル・アンサンブル、フレットワーク・ヴィオル・コンソートによって演奏されたほか、ダーティントン・フェスティバル(イギリス)、バレンシア国際舞台芸術フェスティバル(スペイン)、ユネスコ遺産に登録されたスホクランド(オランダ)、エスプラネード・コンサートホール(シンガポール)などで取り上げられ、欧米、アジアの15カ国で演奏されている。最近では、弦楽四重奏でイディオシンクラシーズ2024賞(アメリカ)を受賞し、彼のトリオSpeak-Un-Listenは、世界ヴィオラ・ダモーレ会議(イタリア)での演奏予定があり、2024年に受賞したデュエットSopriolaとともにイギリス全土を回るツアーを行った。王立音楽アカデミーとキングス・カレッジ・ロンドンで学位を取得。
私は来た、寝た、そして去った
タイトルは、「来た、見た、勝った」を意味するカエサルの言葉 “veni, vidi, vici”
をもじったもの。この曲は三和音を使っているものの、スペクトラル・ハーモニクスとマイクロトーンによって少しずれたものとなっている。この曲は、なじみのある「よそ者」、つまり共同体の一員でありながら共同体から疎遠になっている個人というアイディアを探求している。そのため「私は来た、寝た、そして去った」という陳腐な表現になる。アイルランドの賛美歌 “Be Thou My Vision”
も引用しているが、メロディーは決して融合しない。