リュウ・チャンスン(韓国)

リュウ·チャンスンは主に自我をはじめ、人間を観察しながら捕捉する内面的な意識と心理などを基盤に音楽を解きほぐす。心理音響と知覚·認知心理などに関心を持ち、音と音楽に対する知覚的認識と心(心理)の作用を探求している。

ここ

私の初期作の中に “Over There” (violin & cello2008)というタイトルの曲がある。十数年が過ぎて今書くことになった“Here-ここ”は、これまで歩んできた人生の軌跡に従って書かれたもの。時が流れ、若い頃に眺めたあの場所を思いながら、私が今立っている場所、ここを見回す(あ!もちろん、私は今も若いのだ…)。とにかく、過去には私にない何かを絶えず探して渇望して煩悶したとすれば、今は私にあるものを大切にして愛そうと思う。私がここにいる間に愛着を持った音は、長3度(特に、自然倍音列の5倍音または10倍音)の響きである。これは私が見つけた音でもなく、創造的に作り出したり考案したりした音でもない。ここにいる時に、ただ聞こえてきて、それに私が共鳴しただけである。