第10回JFC作曲賞
中橋 祐紀 氏
「声のための ウ・シ ソングⅡ」に決定
第10回JFC作曲賞は、2019年11月22日(金)18:30より、トッパンホールでの本選会の
結果、中橋祐紀氏 作曲「声のための ウ・シ ソングⅡ」に決定いたしました。
演奏、公開選考に続いて表彰式が行われ、同氏には菅野由弘会長より賞状及び
賞金20万円が贈られました。
前列左より 三輪眞弘審査員、沼野雄司審査員、田村文生審査委員長
後列左より 中橋祐紀(第10回JFC作曲賞) 戸田健太(入選)、清水チャートリー(入選)、
金田望(入選)、平木悟(入選)、井伊敏也(入選)、會田瑞樹(入選)
中橋 祐紀
東京藝術大学音楽学部作曲科を経て、同大学院音楽研究科修士課程2年次在学中。作曲を松本清、久行敏彦、野平一郎の各氏に師事。
学内にて、2016年、2017年にそれぞれ長谷川良夫賞(フーガ、管弦楽作品)を受賞し、藝大モーニングコンサートにて自作品を発表。
首席卒業時にアカンサス音楽賞、買上作品賞を受賞し、卒業作品が大学美術館に収蔵される。
公益財団法人かけはし芸術文化振興財団2019年度奨学生。富山県出身。
声のための ウ・シ ソングⅡ
牛にまつわる二つの詩(チャールズ・G・D・ロバーツ(1860-1943)《When milking time is done》、望月遊馬(1987-)「家具の音楽」)を用いている。
この作品では、歌手は優れた歌声、名人芸を披露するというより、抑制的で特殊な発声を通じてある種の演劇的な身振りを表出することとなる。歌手は牛とともに生きる人間として、また同時に牛のような身振りを通して、牛そのものに近づいていく人間としての表現を担うことが求められる。人間と動物、言語と非言語、コンサート・ホールと牧場のあいだに流れる歌である。